整体学校を卒業しても整体師になれない?
医学部を出て医者になったからと言って、『優れた診断や上手な手術ができる訳ではない』のと同じで、美容師さんや学校の先生、税理士や弁護士などのどの業界でも、『学校を卒業したからと言って一人前』という業種はなかなかないと思います。
整体の業種も、学校を卒業したからと言って、治療の経験がなければ『患者さんの役』にはほとんど立てないのが実際のところだと思います。
17~18年前、私は整体学校へ行きながら『カイロプラクティック専門の整骨院』で毎日研修をしていたのですが、その研修の初日に、腰が『くの字』に曲がった方が急患で担ぎこまれて来ました。
学校では健康な学生同士が教科書通りの練習をしていただけだったので、その時に初めて『治療現場の実際』を目の当たりにして、言葉を無くし震え上がってしまいました。
私は当時まだ学生でしたが、2年制の整体学校を卒業した後でも、この患者さんの『役に立てる整体師』になれていたかと考えると、到底そこまで及んではいなかったと思います。
しかし、治療技術も経験も無い卒業直後に開業してしまう方は少なくありません。逆を言えば、そんな現状を見た事が無いからこそ、怖いもの知らずで整体院の看板を掲げる事ができるのかもしれません。
整体師を医者と並べるとは少しおこがましいのですが、病気になった際に経験豊富な医者を探すのと同じように、整体を受ける際も経験豊富な整体師を探すように心がけて頂けたらありがたく思います。